伝統食材の荏胡麻
荏胡麻の種子から抽出されるえごま油には「α-リノレン酸」という体内で生成する事ができない必須脂肪酸が豊富に含まれます。
「α-リノレン酸」は現代の食生活では不足しているといわれ、また脂肪酸バランスが崩れると生活習慣病やアレルギー疾患などへのリスクも高まるといわれています。
そうした栄養面も荏胡麻の人気に繋がっているのですが、福島、岩手などの東北地の一部や、飛騨地方などでは昔から今に至るまで伝統食として使用されています。
土づくりからこだわった秩父産
富士見堂で使用している荏胡麻は、農薬や化学肥料を使わず、堆肥や緑肥で土づくりからこだわった秩父で栽培された国産荏胡麻を使用しています。
5月頃に種まきをしてから、10月に収穫されるまでの間、間引きをしたり移植をしたり、また除草剤を使用せずに除草作業を行ったりと大切に育てられた荏胡麻です。
粒を潰さず、手で練り込む
荏胡麻のこだわりは素材だけではなく、その製造方法にもあります。
生地に他の素材を練り込む「練り物煎餅」は、一般的には機械で練り込むことが多いのですが、富士見堂では荏胡麻の粒を潰さないため、職人が手で練り込んでいます。
「香りを最大限にいかす」という想いから、ちょっとした手間をかけているのです。また焼きの工程においては、少しでも色付け(焼き色の加減)が強くなりすぎると苦くなってしまい、逆に色付けが甘いと生臭さや芯が残ってしまいます。そのあたりの乾燥や火加減の調整にも気を配りながら作っています。
風味を引き出した甘醤油仕立て
味付けは、甘醤油味。荏胡麻の粒を潰さずに練り込んでいるので、口に入れて噛んだ時に初めて割れ、香ばしい風味がぱあっと一度に広がります。
お口の中でたくさんの粒がプチプチとはじけ、噛み締めるたびに滋味豊かな荏胡麻の風味と香ばしさ、そして最後に広がるシソの香りを味わっていただけると思います。